コンサルティング事例

住宅付き1棟マンションの任意売買

  • 2019.7.22
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コンサルノウハウを活用した「住付一棟マンション任売」の成功事例

mansion

○ 物件概要

  • 所在地  :横浜市内
  • 土地面積 : 58坪  用途地域:近隣商業地域  建蔽率・容積率:80/300
  • 建物面積 :101坪 ( 1F:39坪、2F:32坪、3F:30坪 )
  • 建物構造 :鉄骨造陸屋根3階建て、 建物築年:昭和63年
  • 建物の現状:築後外壁修繕を一度もしてない為、階段・廊下・屋上フェンス等の鉄部の赤錆が酷い。4年前に、屋上の防水シートの劣化により3階部分から雨漏れし、応急処置したが、いつまた雨漏れするか判らない状況である。
  • 入居状況
  • 1F ⇒ 4LDK+作業所は所有者本人が自己使用(子一人と母親と犬2匹が同居)平成15 年ごろから固定資産税・保険年金・税金・信金などの債務返済の資金繰りに苦慮しているところ、2 年前に父親を亡くしてから一段と厳しい状況になった。妻は4人の内 3人の子供を連れて別居( 離婚した )。
  • 2F ⇒ 2DKの賃貸住宅3室で、1室は一般人に月額7万5千円で賃貸し、1室は妹夫婦
    に居住させ、1室は空室になっている。
  • 3F ⇒ 2DKの賃貸住宅3室で、2室は一般人に月額7万5千円で賃貸し、1室は空室になっている。

○ コンサル依頼の経緯

本物件を取り扱うことになった経緯は、本物件近くの親しい知人(飲食店店主)の紹介である。本物件には特別な事情があることを知らされたので、即依頼人に店に来てもらうことにした。依頼人は所有者 ( 鉄工所自営業48歳 ) の母親 (68歳 ) であり、そのとき知らされた特別な事情とは下記の通りである。

  1. 固定資産税の差し押さえによる競売開始が5ヶ月以内に行われる。
  2. 他の債権者の督促が激しくなっている。
  3. 地元の業者に売却依頼して1年経過しているが、1件の案内も無い。
  4. 媒介依頼価格:当初9000万円 ⇒ 8500万円 ⇒ 8000万円 ⇒ 現在 7400万円
  5. 物件を早く売却し債務をゼロにしたい。
  6. 今のままでは売れそうにない。夜逃げも覚悟しなければならない位の生活不安がある。

○ 提案内容

そこで下記の提案をし、コンサルティング契約(着手金10万円)と一般媒介契約を同時に交わすことの合意に達した。

  1. 所有権移転にいくら必要かを掌握するために、債権者( 固定資産税課・保険年金課・税務署・
    地元信金 )に本人と同行で出向き、交渉すること。
  2. 賃借人付の売却はオーナーチェンジ物件の為、利回りが重視され競合物件に対抗出来ない事を事例で示し、賃借人を立退かせることを提案。
  3. この地域は社員寮の需要が有ることの具体例を示し、間取り変更プランを作り、当社傘下の専門業者に内外装リメイクの見積り依頼することを提案。
  4. 媒介価格は7400万円とするが、売主責任で内外装リメイク費用の一部を負担する必要があるこ
    とを説明する。

○ コンサルティング契約から売買契約までの経緯

  1. 3月7日:コンサルティング契約(着手金10万円)と一般媒介同時契約する。
  2. 3月25日:固定資産税課・保険年金課・税務署・地元信金へ本人と同行し残高確認と抹消に必要な債務を洗い直した。そこで、すぐに返済しなければならない債務と急ぐ必要のない債務を選別すると、所有権移転に必要な急を要する債務は本人の予想より2500万円位少ないことが判った。所有権移転に必要な資金は4000万円ぐらいとなった。
  3. 4月6日:賃借人全員分の立ち退き合意書作成(別紙添付書面①②③参照)と同時に移転の為の賃貸物件情報提供。
  4. 4月6日:インターネットへ「住付一棟売りマンション」の種目で広告を開始する。
  5. 4月21日 :インターネット広告の反響客(A)と以前からの見込み客(B)を同日案内する。
    反響客 (A)は、ホームページ閲覧客で、39歳サラリーマンの男性です。相続で得た土地を売却して購入資金の一部に充当し、4000万円 + 内外装リメイク費用はローンを組む予定です。( 午前中に案内した )
    見込み客(B)は、3年前にこの手の物件で取引実績のある電気工事会社で、本物件から10分ぐらいで歩ける場所に在り、従業員80人ぐらい抱え30年以上の営業経歴のある優良顧客です。( 午後から案内した )
  6. 4月25日:内外装リメイクの見積り内容を精査し、見積金額「990万円」を確認する。
  7. 4月27日:反響客(A)が6800万円で購入したいとの意思表示があり、本人の取引銀行と当社の提携銀行に融資の打診開始。
  8. 4月30日:見込み客(B)からは6500万円で購入申し込みをもらう ( 地元信金融資の打診済み )。この時点で一般媒介を専任媒介に切り替え、他社との一般媒介契約を解除するよう売主に依頼する。
  9. 5月1日:反響客(A)本人から融資が厳しいとの連絡があり、当社の提携銀行も土地がまだ売れてないことを理由に難色を示したので、売主へそのことを連絡した。それから、内外装の見積り書と物件価格査定書を提示しながら(B)客からの申し込み価格の妥当性を説明し、見込み客(B)と契約したい旨を説明して同意を得、6500万円の現状有姿売買での不動産譲渡承諾書をもらう。
  10. 5月25日:売買契約締結    物件引渡し日:8月25日までに

○ 契約締結から物件引渡しまでの経緯

  1. 5月29日:買主から信金の融資承諾が得られたので決済はいつでもいいと連絡あり。
  2. 6月3日:賃借人3人と賃貸借契約解除の合意を交わし、立ち退き料(賃料の六ヶ月分)を即日支払う。
    契約解除合意書・敷金の清算・引越し費用については別紙添付書面①②③④参照。
  3. 7月18日:現地境界確認したところ、一箇所の石杭が不明確であるのに気づいたので、土地家屋調査士に境界石一箇所の新設と実測図の復元を依頼する。
  4. 7月24日:土地家屋調査士に実測の復元図を示させ、隣地(2人)の境界立会の確認印をもらう。
  5. 7月30日:残代金決済(8月25日予定でしたが賃借人の立ち退きや売主の引越し作業などがスムーズにいったので決済日が早まった)

○ 今後のコンサル課題

  1. コンサルと仲介業務は分断することが理想であることは言うまでもないことだと思います。
  2. 今回の取引はコンサルのノウハウを十二分に発揮した案件ではあるが、仲介業務の見地からすると売主・買主双方から仲介手数料が得られたので申し分のない取引内容であった。
  3. しかし、これからコンサルに軸足の比重を置いて行こうとする時、それは双方代理であり、コンサルが双方代理を相容れないことは言うまでもなく、コンサルの社会的信頼をどう築いていくかという観点で課題が残る事例案件である。

(株)不動産情報館  仲宗根 保

活動予定・活動報告

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